今後、もしくは既に需要があると考えられる統計スキルを高めるために統計検定3級を受験し、何とか一発で合格することができました。今回は、統計検定3級に受かった勉強方法や受けるきっかけについて説明していきます。
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統計検定とは
統計検定とは、一般社団法人日本統計学会が認定し、一般財団法人統計質保証推進協会が実施する、統計学に関する知識や活用力を評価する検定試験です。4級から1級(準1級)の5段階の階級があります。
年2回の紙による試験と、2級・3級の巡検で受けられるCBT試験方法があります。
1級 | 実社会の様々な分野でのデータ解析を遂行する統計専門力 |
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準1級 | 統計学の活用力ーデータサイエンスの基礎 |
2級 | 大学基礎統計学の知識と問題解決力 |
3級 | データの分析において重要な概念を身に付け、身近な問題に活かす力 |
4級 | データや表・グラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中での活用力 |
引用元:統計検定「統計検定とは」より
受験資格は?
誰でも受験することが可能です。
統計検定3級の受験方法や合格ライン
統計検定3級の受験方法
統計検定3級を受験するには、まず受験方法を選択する必要があります。受験方法は年2回(6月、11月)実施される「紙による試験」と、コンピューターによるCBT試験の2つがあります。CBT試験は全国200箇所程度の中から会場を選択することができ、その選んだ会場の試験日程から好きに受験することができます。
統計検定の試験日はいつで、試験会場はどこ?
統計検定3級の試験日は、「紙による試験」か「コンピューターによるCBT試験」かで異なります。
「紙による試験」の場合、年2回しか実施されておらず6月と11月に試験が実施されます。試験日や申し込み期間が決められているので、期限に間に合うように受験申し込みをする必要があります。
統計検定の試験会場は、紙による試験は「札幌、東京23区内、名古屋、大阪、福岡、仙台(11月のみ)、立川(11月のみ)、松本(11月のみ)」です。CBTによる試験は全国200箇所程度の中から試験会場を選択することが可能です。
統計検定3級の合格点ライン
統計検定3級の合格ラインは、100点満点で70点以上です。4〜5個の選択肢問題で、3級の場合は30問程度を60分で実施することになります。
統計検定の合格発表方法
統計検定の合格発表方法は、紙による試験とCBT試験による方法で異なります。CBT試験の場合、回答が終了した瞬間にコンピューターの画面で試験結果が表示されます。合格していれば、3〜4週間程度で合格証が届きます。
紙による試験の場合CBT試験と違って、採点および集計がありますので、試験日の約1ヶ月後に統計検定センターのウェブサイトに合格者の受験番号が掲載されます。
私が統計検定の試験を受けたきっかけ
統計検定3級の学習方法を説明していく前に、私が統計検定3級を受けたきっかけを話していきたいと思います。私が統計検定3級を受けたきっかけは大きく分けて3つあります。
- 普段からデータを扱っているので、統計スキルを高めたかった
- SEOの理解には統計スキルとの親和性が高いと思った
- 統計スキルとpythonを掛け合わせて成長したいと思った
きっかけ①:普段からデータを扱っているので、統計スキルを高めたかった
私はWebコンサルタントのため、普段からデータを扱っています。もちろん普段からデータ解析を用いてクライアントに対して施策提案を行なっていますが、より上位スキルを習得するために統計スキルを高めたいと思ったのが、勉強するきっかけとなった1つです。
また、個人とは別の話ですが、数々のクライアントデータを持っている今の勤め先ですが、データを体系的にまとめていない課題があります。その課題を克服するためにも統計スキルを高めたかった背景があります。
きっかけ②:SEOの理解には統計スキルとの親和性が高いと思った
私はWebコンサルタントでありながら、SEOに強いコンサルタントとして従事しています。現状で私のSEO理解が乏しい訳ではありませんが、より高い次元でSEO理解を深めるには統計スキルとSEOの親和性が高いと思いました。
なぜなら、SEOの理解および調査、分析をしていく上で、統計スキルを用いようとする場合、データの取得が非常に容易であるからです。SEOにおけるデータの取得は、例えば「検索結果」です。SEOを統計の観点から理解しようと思った場合、「検索結果」から学ぶことが可能です。
結局のところ、「検索結果のデータから統計スキルを用いることで、SEO理解が深まる」と思ったのです。
きっかけ③:統計スキルとpythonを掛け合わせて成長したいと思った
ここまできっかけ①と②に加えて、きっかけ③では自分の将来設計に関わる話です。今後、世の中で必要とされる人材であり続けるためには、統計スキルだけでなく、成長分野のAIにも関わっていきたいと思いました。
そう考えた時に、統計スキルとpythonスキルを活かして、より成長したいと思いました。プログラミングスキルはまだありませんが、統計検定3級受かった私は、統計検定2級までを統計検定のゴールとして、次はpythonを勉強する予定です。
今の会社で統計スキルを活かしながら、今後必要とされる人材になるために統計検定を受けようと思いました。
私の統計検定3級で学習した勉強時間と学習スタイル
統計検定3級で学習した勉強時間はどれくらい必要?
個々人によって学習した勉強時間は異なると思いますが、ざっくり50〜60時間程度だったと思います。(厳密に測ってはいませんが・・・)後に、具体的な学習方法は紹介しますが、教科書を2回読み、過去問を3週やりました。
独学か学校に通う学習スタイルはどっちがオススメ?
独学と資格学校など勉強する学習スタイルは、人によって向き不向きが異なりますが、私は独学で統計検定3級に合格しました。比較的、まあまあの資格を持っていますが、統計検定3級であれば独学でも全然合格できる難易度だと思います。人それぞれ、バックボーンが異なりますが、数学ⅠAに抵抗がない人は独学でも全然問題ないと思いますので、そんなに費用や手間をかける必要がない個人的には独学の学習スタイルがオススメです。
私は一択で独学の学習スタイルを選択しましたが、個人的には統計検定を学ぶことができる資格スクールが少ないと思います。この検定を受ける母数が他の資格に比べて少ないのも要因の1つのような気がしますが、学校探しは大変のような気がします。
私が買った統計検定3級の参考図書や教科書、過去問
統計検定を受けるモチベーションを上げるために見た参考図書
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まず、統計検定を勉強するために読んで欲しいのが、上の本です。この本を見ると、統計の面白さを知ることができます。これを読むことで、「統計を学びたい!」というモチベーションがかなり上がります。この本を見て欲しいところですが、この本で力士の八百長を暴く?ような統計データは非常に面白いものでした。読んでもらえると、自分がどんな統計資料を作りたいかがイメージすることができます。
統計検定3級の過去問やテキスト
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統計検定3級だけの公式問題集はありませんので、上記の3級と4級が一緒になった過去問を勉強するのに活用しました。紙による試験の合計6回分の過去問が3級と4級それぞれ掲載されています。3級の試験を受けるにあたって、3周行いました。この過去問をなんども解くことで問題を解くスピードが上がります。
先ほども説明しましたが、3級は30問60分と、意外に時間が足りないので問題を解くスピードも必要です。この過去問を繰り返し解くことで問題を解くスピードを速くするようにしましょう!
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統計検定の公式テキストです。統計検定3級を受けるにあたっては、最初にテキストをざっと読み、各章ごとにある問題を解くことで理解を深めていきます。初読は分からないことも多いですが、回数を多くこなすために、最初は完全理解を求めずに進めていくのも勉強のコツです。
【これで受かった!】統計検定3級に合格した学習方法
前置きが長くなってしまいましたが、私が統計検定に合格した勉強の学習方法を紹介します。かなりオーソドックスな勉強方法なので、大体の人には向いている勉強方法だと思います。「そんなオーソドックスな勉強方法はいらない!」と言う人は、自分が思う勉強法で進めて貰えればと思います。
- まずは公式テキストを2回読む(各章の問題やりながら)
- 過去問6回分を2周解く
- 過去問6回2週分で間違えた問題だけをピックアップして解く
- 教科書を今一度読んでみる
- もう1度過去問6回分を1周解く
- (受験前)過去問6回分1周の内、間違えた問題を見直す
各ステップについて詳細に以下で説明していきます。
まずは公式テキストを2回読む(各章の問題やりながら)
一番最初に私が行ったのは、公式テキストを読むことです。公式テキストには各章ごとに問題がありますので、理解度を確認するためにも各章の問題を進めながら公式テキストを読み進めていきました。
個人的には理解度100%を求めるよりは、とりあえず早く各章を読み進めることを意識しました。読み進めている章で分からなかったところが、他の章を読み進めると分かるようになったということもあるので、基本的にはスピードを意識して行いました。
過去問6回分を2周解く
テキストを2周読み進めて、各章の問題を解いていくとある程度の理解が深まっているので、過去問を解いてみることをおススメします。過去問を解いていくことは試験に受かるうえで非常に重要で、ひっかけ問題の傾向を把握することや、教科書を読んで理解が抜けていたところを把握するにはうってつけの試験対策です。
過去問を解く場合は時間を計りながら行うのをおススメします。なぜなら意外に統計検定3級は、テスト時間が足りないので問題を解くスピードが必要だと分かります。
過去問6回2週分で間違えた問題だけをピックアップして解く
過去問6回分を2周解いたら、2周分の中で間違えた問題だけをピックアップして、再度問題を解きます。ここで行いたいのは、弱点補強です。2周分解いた過去問の中で間違えた問題は、自分がまだ得点源にできていない弱点の箇所です。
弱点となった箇所は、得点源にするんだ!という気概をもって対策をする必要があります。特に、1周目、2周目でどちらでも間違えている問題は、確実な弱点箇所です。どの章でも得点源となりうるような理解ができる状態になっていることを個人的にはおすすめします。
統計検定3級の中でよく間違えたのは確率の問題です。公式テキストでは問題があまり多くないのですが、過去問では必ず出る問題です。確率の問題は数IAの内容なのですが、記憶を呼び起こすのに時間がかかりました。公式テキストではあまり解説が十分とは言えないので、youtubeでみることができる無料範囲の授業でも、理解が深まるので効率よく使ってみてください。
教科書を今一度読んでみる
1つ前のステップで弱点補強のために解いた問題に不安がある場合には、今一度教科書を読んでみることをおススメします。ここまでくると、だいぶ理解が高まっているので、改めて公式テキストを見てみると、統計の奥深さを知ることができます。
もう1度過去問6回分を1周解く
本番前の総仕上げとして、今一度過去問6回分をもう1周解きます。ここまで費やすと、こんなにも早く溶けるようになっているのか!と驚くと思います。時間に余裕ができることで60分以内の試験時間で多少は見直す余裕も出てきます。
(受験前)過去問6回分3周の内、間違えた問題を見直す
最後の試験前対策に何をするかということですが、ここまでやってくると絶対に間違えない問題は間違えないものです。そのため、今まで間違えてきた問題を見直して試験に臨みます。時間が無尽蔵にあればいいですが、最後の試験前に少しだけお浚いをしたいぐらいであれば、この程度でも対策は十分かなという自信がついていると思います。