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WEBコンサルからインハウスへ転職するデメリットについて~昨今の売り手市場に一石~

今私はSEOコンサルタントとして働いています。昨今の売り手市場や所属企業の不満も相まって、SEOの知見を活かしてインハウスとして転職するケースが散見されるようになってきました。SEOコンサルという仕事はクライアントのわがままに振り回されたり、時間の制約(残業や日々の忙しさ)もある方だと思います。

それに比べるとインハウスは1つのことを深堀して、仕事をしやすく楽になりそうだなと思ってしまいがちですが、必ずしもインハウスに転職メリットがあるわけではないと思います。今回は、インハウスの転職デメリットについて話をしていきます。

最初に言いたいこと、インハウスの転職が悪いと言いたい訳ではない

これから記事を読む人へ最初に言いたいのが、必ずしもインハウスへの転職が悪いと言いたい訳ではありません。キャリアアップとして、インハウスで活躍される人にもたくさん出会いますし、転職活動時に望んだものが叶っている人はインハウスへの転職はいいものです。

ただ、会社の同僚が辞める前の話を聞くと「それで転職して大丈夫?」と思うこともあります。(中には明確なキャリアダウンなのに、転職するケースもあり、衝動的な感情で転職する人もいます。)

最近は特に売り手市場もあり、目先のメリットを追いかけて転職する人が多いように感じます。もちろん転職するには今より良くしたい何かがあるわけなので、それが叶うのであれば転職すること自体は賛成です。(そして、こんな記事を書いている私はジョブホッパーと言ってもいい人間で、転職は5回しています。)

ただ転職する理由を聞くと、その人のその後のキャリアが危ないのではと思うケースが多々あります。どういうケースで危ないのかは次のデメリットの部分で話をしていきます。

インハウスへの転職デメリットは入社後に気づく可能性

やはり「隣の芝生は青く見える」というように、転職活動を始めてみると転職後の会社に魅力や可能性を感じることは多いと思います。そして、多くの人が活動して内定が出たらすぐに転職を決めてしまう人も最近特に多い気がします。

ただ、注意するべきインハウスへの転職デメリットは、多くが入社後に気付くと思います。もし、入社後に感じるやりづらさが重大なもので、再び転職を考えざるを得ない場合には、手間がかかる転職活動を再びしなければなりません。

賢明なこの記事を読んでいるあなたはインハウスへの転職デメリットを知った上で、転職活動を検討してほしいと思います。

インハウスへ転職したWEB担当で活躍できるのか

もちろん今までWEBコンサルをしてきた人であれば、インハウスに入ると知見という面では抜きんでることが可能です。ただし、だからと言ってインハウスで活躍できるかどうかについては、全く別物の話となります。

私が今、WEB系からインハウスへ勤めだした取引先担当者様は次のような事情であまり活躍できていないように思えます。

インハウスで活躍できない理由
  • 上層部のWEB知識がないので、予算承認がされない
  • 会社のやるべき方向性に合わせなくてはいけない
  • 上層部の決定が二転三転してしまうので、一貫したことができない
  • リソースを回してくれない
  • 関係各所の協力が得られない

インハウスになると、会社や上司、関係各所との調整・折衝力が特に求められます。その力がないと、大きな成果を上げることができません。従来クライアントの要望に応える立場だったものが、要望を実現するという能力が必要とされます。

それは、従来コンサルタントとしてクライアントの要望に応える仕事を行ってきた人の場合、インハウスで苦労する可能性があります。それは、今までとは違う能力が必要とされるからです。

また、上層部の意思決定に非常に左右されることから、インハウス担当者として苦労される方が非常に多くいます。本来はこうあるべき姿がインハウス担当者には見えているのに、社長や上層部の鶴の一声でできないケースも多々あります。

つまり、自分の力だけでは解決に導くことができずに活躍できないというケースがあるのです。

専門知識が分からない上司は評価してくれるのか

WEB系の会社でバリバリと詰め込んだノウハウはインハウスの会社に役立つと思います。ただ、一方で採用した会社側にそれを評価できる上司がいるのかどうかというのも非常にインハウスに転職するうえで重要だと思います。

例えばSEOで改善がなされたときに、それを上司がどれくらい凄いものかどうかを把握できるのかどうかということです。会社の人材として必要性を感じることはあっても、どれくらいの評価をしてあげればよいのか分からない上司の方が多いのではないかと心配になってしまいます。

例えば、不動産会社にWEBマーケターとしてインハウスに転職した人は、WEB担当者の評価よりは営業として現場に立つ営業マンの方が優遇されることに気付くはずです。(少なくとも、私の今までの経歴や取引先担当者の方の意見をうかがっているとそう感じます。)

転職前のWEB会社では評価を受けていても、インハウスではインハウスの評価基準(物差し)に変わります。必ずしも転職前と同じような評価を受けられるという保障はないのです。

社内調整がうまくない人はプロジェクトを進められるか

インハウスに転職をすると、社内調整が必要になります。予算から社内誌ソース、稟議申請などさまざまな手続きが必要になるケースがほとんどです。その時に社内調整がうまくいかない人は、従来のWEB知識をフルに発揮することができないかもしれません。

そこには、従来のクライアントの要望に応える能力とは別の社内調整力が必要です。言い換えれば、社内政治力を強めていく必要があります。社内政治力がないと、関係各署や上司などの反対の一声で、やるべきタスクが止まってしまう可能性があります。

その点を見落としているインハウスの転職者も多いので、インハウスで転職後にどんな能力が必要かを事前に把握してから転職することをおススメします。

インハウスでキャリアを重ねた後のキャリアアップはできるのか

インハウスで働くときに何を得るために転職するのかは非常に重要なポイントです。ただし、そのポイントを間違えると、その後のキャリアが立ち行かなくなる可能性を知っておく必要があります。

インハウスで働くと、自分の知見が狭まる(偏る)可能性があります。もし、インハウスで年数を重ねて働いた後に転職をしようとすると、転職可能な領域が狭まってしまう可能性があります。いざ、その時にさらにキャリアアップが可能な選択肢があるなら別ですが、ある程度の年齢だと求人が少なくなる可能性があります。

インハウスに転職をして、その後のキャリアアップの道が思い描けていない人は注意が必要です。なぜなら、必ずしもインハウスの会社が存続している保障もなければ自分がその会社にいられるかが分からないからです。

インハウスの転職先でキャリアを終えるような考えでは、激動の社会の中で生き残れる可能性が少ないのが、これからの社会だと思うのです。インハウス先に転職をして、その後どんなキャリアアップをするのか。それを考えずして転職をしない方がよいことをおススメします。

WEB人材のインハウスへの転職求人は多数ある

昨今の売り手市場や自社のWEBチームをインハウスとして作りたい企業も多いので、インハウスへの求人はたくさんあります。

特にWEBに関しては、社内でWEBチームを作りたいと思う会社も多いので、引く手あまたです。(特に私が所属しているSEOではなおさらです。)特に、昨今では人手不足などどこの会社も人材集めに苦労をしています。

だからこそ、売り手市場だというのも非常に分かるのですが、変に売り手市場で転職をするべきでない人も転職をしてしまっているように感じます。(特に私が所属している会社で転職をしている人たちは特に。)

今の会社で得られているものが転職先では失う可能性もある。そういった点を踏まえて転職している人が少ないように感じます。転職はその後の人生に大きな影響を与えるターニングポイントです。だからこそ、しっかり将来を見据えて転職してほしいものです。

転職するなら今とこれからのポートフォリオが重要

私は転職することには賛成です。(実際に過去5回転職しています。)

ただ、転職するにあたっては、今まで何ができてこれから何をしたいかのポートフォリオを描けなければいけないと思います。

ポートフォリオとは
ポートフォリオは、ひとまとめの意味や目的を持った書類の束を示します。転職の意味で使うには、クリエイターが過去作品を転職希望先に見せるようなものです。

クリエイターがポートフォリオを必要とされるケースが多いですが、その他の職種の人でもポートフォリオを作っておくことは転職活動で重要です。

私の簡単なポートフォリオ

  • 不動産営業(売買、賃貸)を経験
  • 不動産メインのWEBサイト制作やプロモーションを経験
  • HTMLやCSSはそれなりにできる
  • SEOメインの会社に就職した。(SEOコンサルタントとして)
  • PHPの知識を基に、WordPressで自分のサイトを運営
これからの私の簡単なポートフォリオ

  • 機械学習を学びたい(現在、勉強中)
  • 統計学を学びたい(現在、勉強中)

転職をするのであれば、今まで何をやってきて、これから何をしていきたいかを見定めることが不可欠です。インハウスへの転職を考えているのであれば、インハウスで何をしていきたいのかや、今後どんな能力が必要かを知っておく必要があります。