「レスポンシブサイトがSEOに有利で順位が上がると聞いた!」ことがある、もしくは順位が上がると思っている。そんな人は注意が必要です。必ずしもレスポンシブサイトだからといってSEOで順位が上がるわけではありません。
むしろ、レスポンシブサイトにしたら順位が下がる危険性もあります。
レスポンシブサイトがSEOに強いというのは正しくもあり間違いでもある認識です。今回はレスポンシブサイトのよくある誤解が内容にレスポンシブサイトのSEO効果の本当をお伝えしていきます。
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結論:レスポンシブは推奨されているがSEOで有利という訳ではない
最初に結論をお伝えしてしまいますが、レスポンシブサイトだからSEOに有利というわけではありません。ただし巷では「レスポンシブサイトってSEOに有利なんだよねー」っと間違った認識を持った人がいます。
これは一体なぜでしょうか?以下のような情報によって誤解をしていると考えられます。
レスポンシブサイトはGoogle推奨のモバイル対応の一つ
なぜレスポンシブサイトがSEOに有利だと誤解されるのか。その理由の一つに、レスポンシブサイトによるモバイル対応がGoogleの推奨だということが考えられます。
ではどういった理由で推奨されているのか。Googleでは次のように、レスポンシブサイトを推奨する理由を説明しております。
- URL が 1 つなので、ユーザーによるコンテンツの共有やリンクが簡単になります。
- 対応するパソコン用ページやモバイル用ページが存在することを Google のアルゴリズムに伝える必要がなく、ページへのインデックス プロパティの割り当てが正確に行われます。
- 同じコンテンツのページをいくつも維持管理する手間が省けます。
- モバイルサイトでよくある誤りに陥る可能性を抑えることができます。
- ユーザーをデバイスごとに最適化したページにリダイレクトする必要がないため、読み込み時間を短縮できます。ユーザー エージェントに基づくリダイレクトはエラーが発生しやすく、ユーザー エクスペリエンスを損なうおそれがあります(詳しくは、ユーザー エージェントを正しく検出するをご覧ください)。
- Googlebot がサイトをクロールするために必要なリソースを節約できます。同じコンテンツのページが複数存在すると、別々の Googlebot ユーザー エージェントが複数回クロールしてすべてのバージョンを取得する必要があります。一方、レスポンシブ ウェブ デザインの場合は、1 つの Googlebot ユーザー エージェントがページを一度クロールするだけで済みます。Google によるクロールの効率が上がると、サイト内のより多くのコンテンツがインデックスに登録され、適切な間隔で更新されることにつながります。
これらのレスポンシブが推奨されている理由を確認すると、レスポンシブサイトだからSEOで順位が上になるという事は言っていません。
正しい理解:レスポンシブサイトで有利なのはモバイル施策ミスを防ぎやすいから
レスポンシブサイトが有利とされているのは、SEOで順位が有利なのではなく、モバイル対応の施策のしやすさにあります。
レスポンシブサイトではなく、モバイルが別URLで運営されている場合、PCとモバイルのページで別URLが存在することになります。
例)PCのURL「https://www.example.jp」
例)SPのURL「https://www.example.jp/sp/」
この場合「PCにはSPページがあること」を設定する必要があり、「SPにはPCページがあること」をSEOのモバイル施策として設定する必要があります。
ところがレスポンシブサイトの場合、上記の<canonical>や<alternate>を設定する必要はありません。なぜならレスポンシブサイトは同じURLのため、設定する必要がないからです。
レスポンシブサイトによって順位が下がるリスク
レスポンシブサイトは必ずしも、それだからといって順位上がるわけではない事は、すでにお伝えしました。
それどころか、レスポンシブサイトは正しい理解をしていないと、レスポンシブサイトにする事で逆の効果が発生してしまう可能性もあります。ここでは、そうならないために注意するべきリスクを紹介して行きます。
リスク1:モバイルとPC画像の最適化をミスするリスク
レスポンシブサイトで考慮してもらいたい1つに画像の最適化があります。
特別な対策をしていないレスポンシブサイトの画像は、モバイルとPCで同じ画像を読み込みます。その場合、画像容量が重い場合にはモバイルのページ読み込み速度が遅くなってしまい、SEOランキングに影響する可能性があります。
つまり、レスポンシブサイトは、PCとモバイルそれぞれの画像読み込みに適したサイズにする必要があることを把握しておく必要があります。
リスク2:旧スマホページからレスポンシブ移行時のミスした場合
新規サイト作成でレスポンシブサイトを作る場合は、このリスクは関係ありません。
ただし旧モバイルページを持っていて、レスポンシブサイトに切り替えようとする場合には注意が必要です。レスポンシブサイトにリニューアルするときに、今まで行っていたモバイル施策を修正する必要があるからです。
- レスポンシブサイト移行前に、モバイルページとPCページで別URLである人(SPで「〜/sp/」とPCと違うURLの人)
- <canonical>や<alternate>タグが設置不要になる場合、タグから削除が必要になる。
- スマホページからPCページへ、301リダイレクトが設定必要になる場合もある。
これらの設定をする必要があるのに、設定をしないでレスポンシブサイトにしてしまった場合、逆に順位が下がってしまう可能性があります。
リスク3:モバイル重視でコンテンツ削除した場合
既にあるサイトで、レスポンシブサイトへリニューアルしようとするときに注意が必要です。
レスポンシブサイトは、基本的にPCとモバイル同じ内容を表示させます。そのため、スマホで見るときに情報量が多いことを考慮して、ページの内容を削ってしまうクライアントもしばしば見受けられます。
その場合、削ってしまう内容が多いと、順位に影響が出てきてしまう可能性があります。
ページ内のコンテンツ量が順位決定の全てではありませんが、有益な情報量は順位決定要因の大事な一つです。そのため、モバイルの見た目を考慮して、レスポンシブサイト移行時にボリュームを削ってしまうと順位が下がってしまう可能性に注意が必要です。
まとめ
レスポンシブサイトにするとSEOで順位が上がるかについてはNOです。ただし、レスポンシブサイトはモバイルページに必要なSEO施策ミスが少ない可能性があります。
とはいえ、リニューアルでレスポンシブサイトに行こうする場合は、従前のモバイル施策を修正しないと逆にSEO順位が下がるリスクもあります。
レスポンシブサイトにする場合、必要な施策を考えて行う必要がありますので注意が必要です。